日本人と麻の関わりは深い

日本人と麻の関わりは深い、大麻とも呼ばれる麻の数奇な運命
麻素材のものは、特に夏に重宝されます。
蒸し暑い日本の夏に、通気性がよい麻の肌触りは心地よいものです。
また、汗も吸い取ってくれますから、大助かりなのです。
ですから、昔から日本人と麻素材のものは馴染みがあり、両者の結びつきは深いものがあります。
たとえば、2013年に正遷宮となる伊勢神宮のお札が神宮大麻と呼ばれるのも、麻からきているのです。
つまり、大昔から日本人と麻の結びつきは強かったというのがうかがえます。
しかし、現在の日本で麻素材のものに使用されている原材料としての麻は、国内で生産されたものではなく海外からの輸入に頼っているという現実があります。
麻は大麻とも大麻草とも呼ばれることがあり、第二次世界大戦を前後して麻の栽培への認識が変わったことに端を発します。
第二次世界大戦前までの日本では、米の生産と同様に麻の生産が活発でした。
しかし、大戦終了後にできた法律によって、麻の栽培には大規制が敷かれたのです。
1947年の大麻取締規則で産業用での栽培が規制化され、1963年の大麻所持の罰則も厳重化されたことにより、麻の栽培に携わる人は大幅に減少しています。
もともと日本で生産されていた麻には、麻薬として知られる大麻・マリファナのような成分は含まれていません。
しかも、蒸し暑い夏のある日本においては、衣服の材料としてよく知られているものではありました。
しかし、麻の効用はこれだけではありません。
麻である大麻には、麻薬としての危険性が指摘される一方で、医薬品として使われることのある不思議な植物なのです。
第二次世界大戦前までの日本では、鎮痛用や鎮静用などに用いられる医薬品として認められていたくらいなのです。
しかし、世界を見渡せば、麻といえば大麻で、古来より日本で重宝されていた衣服に使用する素材としてよりも、恐ろしい麻薬としての流通しているタイプの大麻の印象が強いです。
そのような大麻は、日本はもとより世界各国で法規制の対象になっています。
そんな大麻とは違う、法規制の対象にならない麻のことを大麻(ヘンプ)と呼ぶこともあります。
このヘンプという呼び方によって、法律で禁じられていないタイプの大麻であることを示すのです。
区別をつけることによって、恐ろしい麻薬ではない、衣服や医療、食用などに利用可能な麻をわかりやすく表現することができます。
このように麻というものは、様々な種類があるのです。
ですから、日本において、衣服などに麻だと品質表示されているものも、実は大麻ではありません。
大麻とは別の種類なのです。
よって、大麻の繊維というものは、指定外繊維として大麻(ヘンプ)と表記されることになります。
数奇な運命を辿っている麻ですが、蒸し暑い季節を過ごす日本人の暮らしと密接に関わってきた麻を使用した素材は今も変わらず使われています。
そのような麻の歴史に、時には思いを馳せてみるのもよいのではないかと考えるのです。
人々の暮らしを支えるものとして利用されている麻は、これからも大切にしていきたいものであり、人々に良くない影響を与える麻薬としての大麻は、利用者がなくなることを願いたいものです。

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